収納の失敗!パントリーの正しい設計

query_builder 2026/07/28 キッチンリフォーム 木造建築
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パントリー、憧れますよね。

食品も水もお米も、ぜんぶそこにしまえたら、キッチンがスッと片づく気がする。生活感も隠せて、急に人が来ても慌てなくて済みそう。

気持ち、めちゃくちゃ分かります。

でも大工として正直に言います。

「広くしといてよかった〜」より、「なんか使いにくいんだよね……」という相談のほうが多いんです。

せっかく面積を使ってつくったのに、奥の物が取れない。何を入れたか分からない。思ったほど収納できない。

そして、なぜか物だけ増える。

今日はその、完成写真ではあんまり語られない“パントリーのその後”の話を。

ONE HOUSE
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丁寧にヒアリングしてキッチンやバスルームの改修、内装変更や増築など幅広いリフォームを提案しています。ニーズに応じて小規模な修繕から大規模なリノベーションまで、高品質な施工を愛知で行っています。
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住所:

〒444-0113

愛知県額田郡幸田町菱池元寺 11番地

※Googleストリートビューが来ていないために迷いやすい場所にあります。Googleマップやナビで来られる方は、 ご案内させていただきますので、付近まで来られたらお電話ください。

電話番号:
0564-73-0321

「広さ、何畳がいいですか?」が、もう間違い

パントリーの相談で、いちばん最初に聞かれるのがこれ。


ブログ

「一畳あれば足りますか」
「二畳あったほうが便利ですか」

気持ちは分かるんですけど。実はそこ、最初に決めちゃいけないとこなんです。

置く物が、家庭によって全然違う。

調味料を少し置きたい家と、水やお米を箱で買う家。ホットプレートや卓上コンロまで置きたい家。災害用の備蓄をまとめたい家。

必要な広さが、まるで別モノですよね。

先に「二畳」と箱だけ決めると、中身の決まっていない収納が完成する。

そして人は、空いた棚を見るとなぜか詰めたくなるんです。

まだ置ける。もう少し買える。せっかくパントリーがあるんだから。

そうして収納する物に合わせて広さを決めたはずが、いつの間にか広さに合わせて物を増やし始める。

順番が逆なんですよね。

ONEHOUSEでは、まず何を置くのかを考えます。

何を、どれくらい、どこから持ち込むのか。料理中に何を取り出すのか。重い物はどこへ置くのか。

その動きと物量から、棚の寸法や必要な広さを割り出す。

広さは最初に決めるものではなく、暮らしを整理した結果として決まるものです。

順番なんです、全部。


奥行きの深い棚が、家庭内リサイクルショップになる日

深い棚は、いっぱい入ります。


ウォークインパントリーの棚と通路幅

入るんですよ、たしかに。

問題は、奥に置いた物が……二度と表へ出てこないこと。

手前が奥を隠す。隠れた物は忘れられる。

人間って、見えない物は「持っていない物」として扱うんですよね。

で、また買う。

同じ調味料が二本出てくる。三本目を買ってから二本目に気づくこともある。

調味料なら、まだ笑えます。

同じホットプレートが二台出てきたときは、さすがに家族で話し合いになります。

誰が買った。いつ買った。なぜ誰も覚えていない。

もう収納というより、家庭内リサイクルショップです。品ぞろえだけはいい。

だからONEHOUSEでは、収納量が欲しいからといって、全部の棚を深くはしません。

よく使う物は、ひと目で見渡せる浅さにする。大きな家電や箱物を置く棚だけ、それに合った奥行きを取る。

棚の奥行きを全部そろえると、見た目はきれいです。

でも置く物の寸法は、そろっていない。

缶詰とホットプレートが、同じ奥行きを必要とするわけじゃありませんから。

たくさん入ることより、何があるか分かること。

そっちのほうが、暮らしはずっと楽です。


立派なパントリー、よく見たら“ちょっと豪華な廊下”問題

ウォークインのパントリー、憧れますよね。


玄関からパントリーとキッチンへ続く家事動線

中に入れて、左右に棚が並んで、食品も家電も全部まとめられる。図面で見ると、かなり頼もしい。

ただ、人が中へ入る収納には通路が必要です。

棚の前に立つ場所。体の向きを変える場所。物を持って歩く場所。

全部、面積を使います。

気づいたら真ん中は、ほぼ通路。

立派な収納をつくったつもりが、“ちょっと豪華な廊下”が完成していることがあります。

歩けます。振り向けます。収納もちょっとあります。

廊下としては、かなり高性能です。

もちろん、まとめ買いが多い家や、大きな調理家電をたくさん持つ家には、ウォークイン型が合うこともあります。

全部ダメとは言いません。

ただ、その一畳を玄関や洗面、キッチンの作業スペースへ回したほうが、家全体では暮らしやすくなる場合もある。

パントリーだけを切り取って考えないことです。

家の面積は増えません。

どこかを広くすれば、どこかが狭くなる。当たり前なんですけど、図面を見ていると忘れやすい。

収納量だけでなく、家全体の面積配分まで見て決めます。


パントリーの正解は、キッチンの隣じゃないかもしれない

「パントリーは、とりあえずキッチンの横に」


よく分かります。料理で使う物を置く場所ですから、近いほうが便利そうに見える。

でも本当に効くのは、キッチンの隣かどうかより、“通り道”に置けているかなんです。

買い物から帰る。玄関で靴を脱ぐ。重い水やお米を持って家の中へ入る。

玄関からパントリーが遠ければ、その重い物を毎回抱えて歩くことになります。

一回なら、たいした距離じゃありません。

でも、それを何年も繰り返す。

買って、運んで、しまって、取り出して、料理する。

この流れがスッとつながっているか。

途中で扉を何枚開けるのか。一度荷物を床へ置かないと通れないのか。家族とすれ違えるのか。

図面上では、ほんの数歩の違いです。

暮らしの中では、何千回分の違いになります。

家の使いやすさは、こういう小さい積み重ねで決まるんです。


映える収納は、三日でバレる

そろえた容器。貼ったラベル。統一された色。


重い食品を支えるパントリー棚の納まり

SNSで見ると、素敵ですよね。

小麦粉も砂糖もパスタも、同じ容器にきれいに収まっている。扉を開けるたびに気持ちよさそうです。

最初はいいんです。

最初は。

でも毎日の暮らしは、そんなに優雅じゃない。

買ってきた物を袋から出す。容器を棚から出す。ふたを開ける。移し替える。こぼした粉を拭く。また元へ戻す。

忙しい日が三日も続けば、だんだん移し替えなくなります。

袋のまま横へ置く。とりあえず手前へ置く。空になった容器だけが、妙にきれいに並んでいる。

これ、片づける人が悪いんじゃありません。

手間のかかる収納をつくった時点で、そうなる運命だっただけ。

収納は、元気な日の自分に合わせちゃいけない。

仕事で疲れた日。子どもが泣いている日。夕飯を急いでいる日。

そんな日でも無理なく戻せるか。

ONEHOUSEが見るのは、そこです。

頑張らないと続かない収納より、多少雑でも自然に片づく収納。

長い目で勝つのは、こっちです。


棚も、黙って我慢してます

パントリーへ集まる物、地味に重いんですよ。


水、お米、缶詰、調味料、卓上コンロ、ホットプレート。

一つずつ持つと、そこまででもない。でも棚一段へ並べると、かなりの重量になります。

棚板を長くすると、時間とともに真ん中からじわ〜っとたわむ。

最初は、ほんのわずか。

毎日見ていると気づきません。

ある日、棚を横から見て「あれ?」となる。

棚も、けっこう頑張ってるんです。黙って。

だから大工は、棚を「ただの板」として見ません。

何を置くのか。どれくらいの重さになるのか。棚板の厚みは足りるのか。どこで支えるのか。幅をどれくらい飛ばすのか。

固定棚にするのか、可動棚にするのか。将来、置く物が変わったときに高さを調整できるのか。

完成日にまっすぐなのは、当たり前です。

その状態が五年、十年と続くか。

大工が見ているのは、そっちです。

収納量を増やそうとして棚板を長くしすぎると、見た目はスッキリしても、板にはずっと負担がかかります。

見た目の線を減らすことと、長く使えること。

どちらを優先するかは、置く物まで見て決めないといけません。


扉を閉めた瞬間、そこは無風地帯

パントリーは、扉を閉めると空気が止まりやすい場所です。

ブログ

そして食品を置く。

この組み合わせ、実はけっこう気を使います。

湿気がこもる。夏は熱がこもる。外壁側なら、場所によっては温度差も出る。

食品を置く場所なのに、間取りや棚の話ばかりで、空気のことが置き去りにされやすいんです。

「じゃあ窓をつければいい」と思いますよね。

窓があれば換気できそうです。

でも、日が差し込めば室温が上がる。窓の位置や方角によっては、食品を保管する場所として逆に条件が悪くなることもあります。

窓は、つければ全部解決する魔法の穴ではありません。

空気がどこから入り、どこへ抜けるのか。

扉を閉めた状態で空気は動くのか。家全体の換気計画の中で、パントリーが取り残されていないか。

ONEHOUSEがずっと大事にしているのは、この流れです。

空気は見えません。

でも湿気やにおい、暑さとして、あとからちゃんと結果を出してきます。

見えなくなる場所ほど、先に考えておかないと泣きます。


収納って、増やすと物も増えるんです

収納が増えると安心します。


空いた棚を見ると、「まだ置ける」と思う。

思った瞬間、少し多めに買う。

棚が埋まる。

すると今度は、「収納が足りない」と思う。

……無限ループです。

人類、ずっとこれで負けてます。

パントリーをつくる目的は、物をたくさん持つことではありません。

必要な物が分かること。サッと取り出せること。同じ物を何度も買わないこと。買った食品を忘れずに使い切れること。

広い収納があっても、何が入っているか分からなければ、暮らしは楽になりません。

むしろ、管理する物が増えるぶん大変になることもあります。

だから収納量を考えるときは、「最大でどれだけ入るか」ではなく、「普段どれだけ持つのか」を基準にする。

余白は必要です。

ただし、余白を全部埋める必要はない。

空いている棚を見ると、ちょっと不安になりますけどね。

あれは不足じゃありません。

取り出しやすさです。

収納って、物を隠す場所ではなく、本当に必要な物を見つめる場所なのかもしれません。

ONEHOUSEが考える、後悔しにくいパントリー

大事なところだけ、まとめます。


広さを先に決めない。

まず、しまう物の量と寸法を確認する。

すべての棚を深くしすぎない。よく使う物は見渡せる奥行きにする。

玄関から収納、キッチンまでの動線をつなげる。

重い物を置く棚は、板の厚みや支え方までセットで考える。

扉を閉めたあとの空気も見る。

そして、片づける人の頑張りに頼りすぎない。

パントリーは、目立たない場所です。

扉を閉めれば見えないし、お客さんへ見せるための場所でもありません。

それでも毎日の買い物と料理と片づけを、静かに支えています。

使いにくければ、毎日少しずつ面倒が積み重なる。

使いやすければ、特別に感動することはないかもしれません。

ただ、何も考えずに物をしまえて、必要な物がすぐ出てくる。

本当にいい収納は、たぶんそのくらい静かなものです。

ONEHOUSEは、見えるところだけをきれいにつくる会社ではありません。

構造も、素材も、空気も、動線も、納まりも。

完成したら見えなくなる部分ほど、本気で考える。

棚板が十年後もまっすぐか。重い物を持って無理なく歩けるか。扉を閉めた奥で空気が止まっていないか。

そういう地味な判断の積み重ねが、十年後も後悔しにくい家につながると思っています。

いい収納って、たくさん入る収納のことじゃないんですよね。

暮らしの邪魔をせず、黙って支え続けてくれる収納のこと。

……まあ、そういう地味なとこばっかり気にしてるから、大工なんですけど。


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