隙間風の時代から高気密へ。変わりすぎた家づくりの中で、僕が見つけた“本物の答え”。

query_builder 2025/12/06
日常的な事

最近よく思うんです。
うちの若い大工たちが、ほんと頼もしくなってきたな、と。

木を触る手つきも良くなってきたし、段取りも覚えてきた。
成功体験が彼らを成長させる。
僕らが修行していた頃は、電動工具は普及していたものの、家づくりそのものが今よりずっと“アナログ”で、
現場で身体を動かしながら覚えるのが当たり前だった。

でも今の住宅は、
高気密・高断熱・省エネ・耐震性能
こうした「性能」が前面に出てくる時代。

つまり、家づくりが“感覚”だけでは成立しなくなったということなんです。

新築住宅の施工現場で、大工が気密測定用のファンと測定器を使いながらC値を確認している様子。丁寧な気密施工と高性能住宅づくりのこだわりが伝わるシーン。

“数字”が大工の腕を表す時代になった

今はC値やUA値といった測定が当たり前で、
施工の精度が数字としてバチッと表れます。

昔の昭和の大工さんの中には、
「俺の仕事は完璧だわ」と言い張る人も多かった。

でも、数字を取った瞬間に現実が見えてしまう。
そこで落ち込む人もいれば、ふてくされる人もいた。

僕自身、その状況を目の当たりにした事。

そのたびに胸の中で思う。

——ああ。本当に時代は変わったんだな。

気候も変わった。
昔の夏は“暑いなぁ”ぐらいだったけど、
今は熱中症警報が毎日出るほどの地獄みたいな暑さ。

エアコン無しでは命にかかわる。
だから気密が必要になる。

昔ながらの“風が通り抜ける家”で暮らすのは、
もう現実的じゃないんです。


伝統工法による柱と梁の木組みディテール。ホゾや仕口が精度高く組まれ、自然乾燥材の美しい木目が際立つ構造部分

でもね、“木の家の本質”は昔の使い方が正しかったりもする

ここがまたややこしいところなんですが——、

実は木にとっては昔の家づくりの方が長持ちしやすい。

なぜなら、
木は湿気を吸ったり吐いたりしながら呼吸する生き物だから。

風が通れば、木はちゃんと乾く。
乾くから腐らない。
だから長持ちする。

ただしこれは、正しく作ればの話。
いくら昔の作り方でも、いい加減につくった家は長持ちしない。
これは大工の世界の絶対ルール。


今の技術は“木を傷めない高性能”を実現できる

僕が面白いと思うのはここ。

今の日本には、

・木が呼吸できる
・家は高気密
・結露しない
・夏も冬も快適
・省エネも達成する

この“矛盾”のような技術を両立できる工法が存在する。

たとえば、
通気層の取り方、構造材の乾燥状態、断熱材の選び方、
気密シートの張り方ひとつで、家の寿命がまったく変わる。

木の性質を理解しながら、
最新の技術と組み合わせていく。

これができる大工こそ、これからの時代の“大工職人”なんだろうな。

そんなふうに思うことが増えました。


建て方作業中、梁の上で木槌を使い仕口を締め込む若い大工職人。山間の現場で伝統的な木組み施工を行う様子が伝わる

若い大工に伝えたいのは、“技術は進化しても木は昔から変わらない”ということ

若い子たちは性能時代のど真ん中で育っています。
測定器で測定結果がでて、データもすぐに読める。

これは本当に強み。

でも、僕は同時にこうも思うんです。

木の声が聞こえる職人になってほしい。

木は一本一本違う。
大工の世界には数値化できない“感覚の領域”がある。

昔の職人が残した知恵を知り、
今の技術を理解し、
両方を合わせて初めて“本物の家”をつくれる。

高性能を追いかけるだけでは家は良くならない。
昔の技術に戻るだけでもダメ。

大事なのは、
“どちらが正しい”ではなく“どう組み合わせるか”。


僕が追い続けているもの

それは——

良き昔の技術と
今の最先端技術を融合させて
木の家を長持ちさせること。

ONEHOUSEが大事にしている
“本物に徹する”という思想の中心でもあります。

家を100年先へつなぐ技術。
木と対話しながら作る家。
数字でも証明できる性能。

それらすべてを組み合わせ、
“家族の笑顔につながる家”を残していきたい。

今の住宅業界を見ると、
安さや効率だけが優先される風潮も強い。
その中で、伝統技術が消えかけているのも事実。

だから僕は言いたい。

本物の技術を残せるのは、今の大工しかいない。
そしてそれを未来に届けるのが、僕たちの役目だと。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
家づくりは時代とともに姿を変えますが、
その中心にある“人の暮らし”と“木のいのち”は変わりません。

僕たちは、昔の職人たちが残してくれた知恵と、
今の技術が与えてくれる可能性をしっかりと受け継ぎ、
これからも“本物に徹する家づくり”を追い求めていきます。

もし今日のお話が、
「家って面白いな」「ちょっと興味がわいてきたな」
そんな気持ちにつながったなら、大工としてこれ以上うれしいことはありません。

これからも、一緒に“いい家”について語り合えたら幸いです。


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ONE HOUSE

住所:愛知県額田郡幸田町菱池元寺 11番地

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