ナフサショックの真実:影響と今後の展望

query_builder 2026/09/23
日常的な事

段々と暑さも和らいできましたね。

あれだけ暑かった夏も、少しずつ終わりが見えてきました。

ところで。

少し前まで、あれだけ騒がれていた**「ナフサショック」**。

最近、あまり聞かなくなったと思いませんか?

建築業界でもかなり影響がありました。

特にシンナー。

塗装屋さんから、

「材料が入らない」

「シンナーがない」

そんな話を聞くようになり、

このままでは塗装工事そのものが止まるんじゃないか。

そんな状況までいきました。

僕も当時、

「本当に日本に材料がないのか?」

と思っていました。

でも、その後いろいろ調べていくと、少し違った。

国会でも実際にこの問題が取り上げられていて、

日本全体として必要な原料が全く無かったわけではなく、供給の偏りや流通の目詰まり、メーカー側の出荷調整などが起きていたことが政府答弁でも説明されています。

将来、原料が入らなくなるかもしれない。

だから今ある分を全部出さない。

企業として考えれば、その判断も分からなくはありません。

社員もいる。

会社も守らなければならない。

安定して事業を続けなければならない。

でもね。

川下にいる僕たちからすると、

材料が来なければ仕事ができないんです。

塗装屋さんは塗れない。

工務店は工事を進められない。

その先には家を建てているお客さんがいる。

結局、最後に影響を受けるのは現場です。

そして今。

供給そのものはかなり落ち着いてきました。

国もトルエンやキシレンの供給を増やし、シンナーなどについて流通の目詰まりを解消する対策を進めました。

じゃあ。

僕が今、一番気になっていること。

値段は戻ったんでしょうか?

これなんです。


そして、これは建築だけの話じゃない。

スーパーに行ってもそう。

食料品。

日用品。

電気。

外食。

いろんな物が数年前より高くなったと感じます。

実際、2026年8月の消費者物価指数も前年同月比1.9%上昇しています。

ただ、ここで勘違いしちゃいけないのが、

「物価上昇率が下がった」

ということと、

「値段が元に戻った」

ということは全然違うということ。

去年100円から110円になって、

今年111円になった。

今年の上昇幅は小さい。

でも100円には戻っていません。

毎年これが積み重なれば、

そりゃ生活は苦しくなります。



もちろん賃金も上げていかなければならない。

僕も会社を経営しているので、それは本当に思います。

大工の給料も上げたい。

協力業者さんにも適正な金額を払いたい。

運送会社だって、

メーカーだって、

材料屋さんだって同じだと思います。

だから価格転嫁する。

日本銀行の調査でも、今は原材料費だけではなく、人件費の上昇分まで販売価格に転嫁する動きが広がっているとされています。

これはある意味、当然なんですよね。

でも。

ここからが難しい。

メーカーが価格転嫁する。

卸が価格転嫁する。

材料屋が価格転嫁する。

工務店も価格転嫁する。

すると家の価格が上がる。

スーパーも同じ。

メーカーが値上げする。

物流費が上がる。

人件費が上がる。

販売価格が上がる。

そして最後は、

消費者が払う。

じゃあ消費者の給料を上げよう。

そうすると会社の人件費が上がる。

また価格転嫁が必要になる。

これ、

いったいどこまで行くんでしょうね。


今、飲食料品の消費税率を一時的に引き下げる方針も政府から出ています。

2026年9月15日には、飲食料品の消費税率を臨時的に引き下げる大綱が閣議決定されました。

税負担が減れば、家計にはプラスになる。

それは分かります。

でも僕が気になるのはその先です。

例えば税金が下がった。

でも、

原材料費が上がりました。

人件費が上がりました。

物流費が上がりました。

だから商品の本体価格を上げます。

そうなったら、

結局、消費者が払う金額はどこまで下がるんだろう。

もちろん価格を決めるのはそれぞれの企業です。

だから消費税を下げれば必ずその分だけ商品の価格が下がる、という単純な話でもありません。

逆に企業側からすれば、

今まで価格に転嫁できなかったコストを乗せなければ会社が持たない。

それも分かります。

だから難しいんです。



僕は政治家でも経済学者でもありません。

26年間、大工として現場にいて、

今は工務店を経営しているだけです。

だから難しい経済の話をしたいわけじゃない。

ただ、

材料を買って、

職人に給料を払って、

お客さんに家を提供していると、

どうしても感じることがあります。

どこかが負担しないと成立しない仕組みになっている。

企業が負担すれば利益が減る。

職人が負担すれば給料が上がらない。

消費者が負担すれば生活が苦しくなる。

国が負担すれば、それも結局どこかで財源が必要になる。

だから、

「値上げが悪い」

「メーカーが悪い」

「消費税を下げれば全部解決する」

そんな単純な話ではないと思っています。

ただ一つ。

現場にいる人間として思うのは、

価格転嫁の最後にいる人だけが、ずっと我慢する仕組みにはしてほしくない。

建築でいえば、

最終的には家を建てるお客さんです。

住宅価格が上がれば、

同じ3,000万円でも建てられる家は小さくなる。

同じ家を建てようと思えば借入額が増える。

住宅ローンは30年、35年と続きます。

材料が数%上がっただけ。

設備が数%上がっただけ。

一つ一つは小さく見える。

でも家一軒になれば、その積み重ねは大きい。

だから僕たち建築会社も、

「値上がりしたから仕方ない」

だけで済ませてはいけないと思っています。

本当に必要なのか。

他に方法はないのか。

性能を落とさずできることはないのか。

つくり方を変えられないか。

そこは考え続けなければいけない。


ナフサショック。

あれだけ騒がれました。

そして今、あまり聞かなくなりました。

材料も少しずつ流れるようになりました。

でも、

一度上がった値段は残った。

これから日本が本当に、

給料も上がる。

企業も利益が出る。

消費者も普通に生活できる。

そんな良いインフレになっていくならいい。

でも、

物価だけが先に走って、

追いつくためにまた値上げして、

そのツケが最後の人に回り続ける。

そんな状態になったら、

家も、

車も、

食事も、

「普通に働けば普通に買えるもの」ではなくなってしまう。

それは少し違うんじゃないかな、と僕は思います。

誰が悪いという話じゃない。

ただ、

一度上がった価格は、なぜ下がらないのか。

そして、

この価格転嫁の最後のツケは、いったい誰が払うのか。

最近、そんなことを考えています。


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住所:愛知県額田郡幸田町菱池元寺 11番地

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